『近似計算における精度低減の妥当性:N体問題の場合』のJSSST2021発表案内

2021年9月2日

2021/9/2(木)にオンラインで開催されている日本ソフトウェア科学会第38回大会(JSSST2021)にて、東京大学の佐藤重幸先生とフィックスターズは共著で以下のポスター発表をします。

発表題
近似計算における精度低減の妥当性:N体問題の場合
著者
佐藤 重幸 (東京大学)、飯塚 康太、吉藤 尚生、夏目 雅槻 (フィックスターズ)
日時・場所
2021年9月2日(木曜日)10:40-12:10 デモ・ポスターセッション A4
内容
ソフトウェアを高速化する上で、一部の値で浮動小数点数の幅を減らすなど、精度を落として処理時間を短縮する手法が広く用いられます。しかし現実の応用事例を考えると、アルゴリズム(モデル)自体が近似計算であることも多く、その近似計算による影響と、演算幅を変化させた影響を完全に分離して評価することが困難です。今回、私達は「N個のデータが他のN-1個のデータを相互作用する」というような問題(いわゆるN体問題)に着目して、4つの評価用ベンチマークを開発しました。この4つとは、重力多体問題(いわゆる古典的なN体問題)、SPH(流体シミュレーション)、t-SNE(機械学習等で用いられる可視化手法)、H-matrix(線形代数)です。それぞれ応用分野が違いますが、いずれもN個のデータが相互作用する+直接的に解くと処理時間がかかりすぎるので近似計算が盛ん+混合精度も応用が進みつつあるという点で共通しています。それぞれのベンチマークに対して、近似計算と演算幅による誤差の影響を評価することができる仕様を策定し、実装しました。似たような計算であるにもかかわらず、その誤差の特性は多様であり、処理時間への貢献度も一様ではないことが評価できました。ポスター発表では、その評価手法の仕様の中身や、結果について発表します。

JSSST2021にご参加(予定)の皆様、ぜひ本発表をご覧ください。

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YOSHIFUJI Naoki

yoshifujiです。計算力学的なプログラムを高速化することが得意です。プログラミング自体はチョットダケワカリマス。 Twitter: https://twitter.com/LWisteria

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